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鉱研工業株式会社

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PSワイヤラインサンプリング工法

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PSワイヤラインサンプリング工法

トンネル切羽の前方は、もう危険地帯ではなくなりました
垂直から水平、斜掘まで。パーカッションワイヤラインサンプリング工法の精密なサンプリングは日本中で欠かせない調査方法となっています。

KOKENのロータリーパーカッションドリル「アロードリル」シリーズの専用ツールとして開発され、かつての科学技術庁から「注目発明賞」を受賞した、パーカッションワイヤラインサンプリング工法。
コンパクトな専用ツールスとアロードリルの組み合わせにより、省力化を実現しつつ極めて精密な前方土質サンプリングを実現しました。
垂直はもちろん水平、斜掘を問わずサンプリングが行えることからコンパクトタイプのアロードリルと組み合わせてシールドマシンなどに搭載され、トンネル切羽の前方探査にも多く採用されています。

パーカッションワイヤラインサンプリング工法(PS-WL工法)は、当社のロータリーパーカッションドリルRPD”アロードリル”の特長である急速穿孔力とほぼすべての地層を掘削できる柔軟性の二つを活かしてほぼあらゆる地層のサンプリングを行う工法、またはその専用ツール一式を指します。

PL-WL工法ツールス構成

PS-WL構成図の説明

アウターチューブアセンブリー

アウターチューブは通常のロッドを接続して掘削していきます。

インナーチューブアセンブリー

このインナーチューブとアウターチューブをセットし、アウターチューブに接続されたロッドで掘削しサンプリングをします。

コアバレルヘッドアセンブリー

(左)インナーチューブアセンブリを構成するパーツの一つであるコアバレルヘッドアセンブリーは、オーバーショットアセンブリとインナーチューブを接続する、このシステムの重要部分の一つです。

(右)インナーチューブに接続されているコアバレルヘッドアセンブリー。

スプリットチューブ

インナーチューブアセンブリを構成するパーツのうち、サンプリングされたコアを収納する部分です。このパーツは、現場状況や目的によって他の材質を使う場合もあります。

ワイヤラインウォータースイベル

(左)コアサンプリング後のインナーチューブを取り出すには、オーバーショットをコアバレルヘッドに接続し、ワイヤーで引き抜きますが、オーバーショットを送り込むために水圧を利用します。このワイヤラインウォータースイベルは水を送るための接続装置です。

(右)オーバーショットを圧送するところ。リング状のものがウォータースイベル。

オーバーショット

(左)コアサンプリング後のインナーチューブを取り出すには、オーバーショットをコアバレルヘッドに接続し、ワイヤーで引き抜きますが、コアバレルヘッドは、このオーバーショットと接続されることによってアウターチューブから外れる構造になっています。

(右)オーバーショットを圧送するところ。

PL-WL施工手順

パーカッションワイヤラインサンプリング工法(PS-WL工法)は、RPD”アロードリル”シリーズと、専用ツールスを用いてトンネル切羽前方などの水平方向から工事の事前調査などの垂直方向まで精密な土質サンプリング調査が可能な工法です。
PS-WL工法専用のアウターロッドには採取したコアサンプルを格納するスプリットチューブを収めたインナーチューブアセンブリーがセットされており、これに通常のロッドを接続して掘削していきます。
所定の位置まで掘削したら、一度、地層サンプル(コア)を取り出すためにコアサンプルを格納したインナーチューブアセンブリーを回収する作業を行います。
このウォータースイベルは、回収器具をロッド先端まで水で圧送するためのツールです。
インナーチューブアセンブリーの回収器具をオーバーショットと言います。インナーチューブにラッチにて接続し、つながれたワイヤーで巻取りインナーチューブアセンブリーを回収する仕組みになっています。
このオーバーショットで接続されるとインナーチューブアセンブリーとアウターロッドとの接続が切れます。
接続したWLウォータースイベルに水を送り、セットしたオーバーショットを水圧でインナーチューブアセンブリまで圧送します。オーバーショットには引揚用ワイヤーが接続されています。
オーバーショットとインナーチューブアセンブリーとがラッチで接続されると、インナーチューブアセンブリとアウターロッドとは接続が解除されます。
オーバーショットにつながれたワイヤーで、インナーチューブアセンブリを回収します。
インナーチューブアセンブリを取り出したら収納されたコアチューブアセンブリを取出しコアを回収します。
一方、さらにサンプリングを行うために新たなインナーチューブアセンブリを水圧で圧送します。圧送されるとアウターロッドに自動で接続されます。こののち本工程を①から繰り返します。

サンプリング結果の例

写真は、北海道でのトンネル掘さく切羽において、当社のお客様であるライト工業㈱殿が、“パーカッション・ワイヤラインサンプラー PS89” を用いて施工された調査ボーリングの結果で、写真に示す通りほぼ100%に近い回収率を達成されました。

・0m ~ 5m
軟性土から硬岩まで、幅広い地層を一気にサンプリングできます。この時は風化および変質の度合いにより岩質の変化が著しく、コアのほとんどが粘土化している状態でした。コア写真が示すように毎分1トン以上の湧水量にもかかわらず100%のコア採取を達成しました。
・15m ~ 20m
この深度20m地点までは、強く変質した粘土状のコアが主体
・30m ~ 35m
この付近では礫状のコアが主体。比較的硬質。
・40m ~ 45m
この付近のコアは硬質な岩片状となっていた。
・50m ~ 55m
深度50mを過ぎると褐色~茶褐色を帯びた粘土状のコアと灰色を帯びた比較的硬質な礫状のコアが、約8mおきに交互に現れるようになりました。
・60m ~ 65m
この深度60m+地点では、粘土状のコアが見える
・70m
この付近では礫状のコアが主体。比較的硬質。粘土状コアとの色の違いがはっきりしている
・75m ~
これ以降、上部の地層変化が繰り返し表れているのがわかる
・ ~ 120m
深度120mまでは茶褐色や灰褐色を帯びた岩片状~礫状のコアが主体で、それ以降は灰色を帯びた粘土状のコアが続くという地層状況でした。
・110m ~ 115m
この深度120m地点付近までは、浅層、中層と違い、茶褐色、褐色のコアが岩片、礫で硬質な地質
・120m ~ 125m
これ以降は粘土状のコアが主体。こちらも浅層、中層とちがい、黒っぽい色が粘土状の軟地質

PS-WL工法適応機種

かつてのサンプリングでは、当該地質をサンプリングした後、一度ロッドをすべて引き抜いてサンプラー(コア)を取り出していましたが、掘削済みのサンプラーだけをワイヤーで取り出すというこのパーカッションワイヤラインサンプリング工法の登場は、アロードリルシリーズの急速穿孔能力と相まって地質サンプリングの工期と精度において飛躍的な向上をもたらしました。以来、PS-WL工法とアロードリルとの組み合わせは、当社の工法、機械製造において中核を構成し続けています。

RPD-100TA

PS-WL工法の迅速な地質サンプリング能力を応用し、トンネル掘削用シールドマシンそのものに搭載できるRPD-100TAが誕生しました。シールドマシンのトンネル掘削に先立って、まずPS-WLを行って前方の地質に帯水層などの危険な地層の有無を確認するためのシールドマシン搭載専用機です。

型式 RPD-100TA
掘削口径 mm max.157
打撃数 bpm 2200/3000
回転数 rpm max.70
トルク N-m 790
打撃エネルギー J 75/45
スラスト kN 60
ストローク長 mm 2060
機体寸法(L/W/H) mm 5420/1100/1850
質量 kg 12000

RPD-130SL-K2-OY

このRPD-130SL-K2-OYもシールドマシンの搭載を前提に設計されました。シールドマシンの型式や、トンネル工事の方法の違いなどにより、このシールドマシン搭載用RPDアロードリルシリーズも様々な型や仕様の違いが生まれてきます。このRPD-130SL-K2-OYは、上記のRPD-100TAと比べて、母機のシールドマシンにビルトインされる前提で製作されており、より大きな掘削径が可能となっています。

型式 RPD-130SL-K2-OY
掘削口径 mm max.225
打撃数 bpm 2200/3000
回転数 rpm max.72
トルク N-m 790
打撃エネルギー J 75/43
スラスト kN 60
ストローク長 mm 1650
機体寸法(L/W/H) mm 3190/1650/1400
質量 kg 2700

シールドマシン(TBM)搭載イメージ

この図はシールドマシンにRPDアロードリルを搭載し、PS-WL工法による先進サンプリング掘削を行うイメージ図です。
シールドマシン、TBM(トンネルボーリングマシン)にもさまざまな型があり、それに合わせたカスタムアロードリルを当社はこれまでに納入してまいりました。

RPD-50TT

このRPD-50TTは当社のRPDアロードリルの中でも垂直方向のPS-WL工法に最も適した機種です。ガイドセル後端のウインチはワイヤーラインサンプラーの回収に役立ちます。また、動力セパレート式で、ドリル本体のクローラー幅が可変式のため、狭隘な場所でも作業が行えるのも大きな特徴です。

型式 RPD-50TT
掘削口径 mm max.157
打撃数 bpm 2200
回転数 rpm max.38
トルク N-m 490
打撃エネルギー J 75/45
スラスト kN 20/60
ストローク長 mm 1700
機体寸法(L/W/H) mm 4150/1400/1800
質量 kg 2500

RPD-160C

PS-WL工法のもつ迅速なサンプリング作業性とRPDアロードリルの急速穿孔力の組み合わせは、連続掘削や多点掘削にきわめて適しています。そのため、移動が容易なクローラー搭載型アロードリルが多く使われています。

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