大口径岩盤掘削工事

あらゆる岩盤を制覇し、確実に進化しつづける・・・
画期的なレイズドリルとして開発された”ビッグマン”は、軟岩から硬岩まであらゆる地層に抜群の威力を発揮し、そのユニークな機構とダイナミックな性能は、構築物・地すべりなど、基礎杭用大口径掘削や削井など用途も広く利用されています。
開発ヒストリー
施工手順
1
パイロット掘削(φ350㎜)

パイロットビット(スリーコーンビット)

パイロット孔掘削開始

パイロット孔の貫通
2
パイロットビット切離し~拡孔ビット接続

パイロットビット・ラウンドスタビライザーの取り外し

パイロット拡径ビットの取付け

拡径ビットの取付け完了
3
パイロット孔拡孔

パイロット孔拡孔ビット

パイロット拡径開始

拡径完了
4
スタビライザ及びロッド降下

ロッドポジショナーによる自動接続

スタビライザ降下

395mm大型スタビライザ
5
リーミングビット組立て・接続

坑内へのリーミングビットパーツ搬入

基本筐体とボトムセグメントの組立て

サイドセグメントの取付け
6
リーミング掘削
リーミング掘さくの開始

リーミングビットのカッター痕
貫通の瞬間
7
リーミングビット回収

リーミングビット回収開始(本体撤去ののち)

リーミングビット引き揚げ作業

回収されたリーミングビット
ビッグマンシリーズ
ビッグマンBM600A


大分県津久見市 φ6000㎜立坑掘削
ビッグマンBMシリーズの最大型です。
径6m級のリーミング掘さく能力があり、2008年の誕生以来数々の実績があります。 本体の高さは約7m、重量は35トン以上あります。
ビッグマンシリーズは分解された状態で掘削現場まで搬入し、現場で組み立てを行います。
径6m級のリーミング掘さく能力があり、2008年の誕生以来数々の実績があります。 本体の高さは約7m、重量は35トン以上あります。
ビッグマンシリーズは分解された状態で掘削現場まで搬入し、現場で組み立てを行います。
ビッグマンBM500A


埼玉県秩父市 φ4750㎜立坑掘削
1993年の登場時は最大径4750mmのリーミングが可能な最大モデルでした。この機種で得たノウハウが、最大機種BM600Aの開発に大いに役立ちました。本体の高さは6.8m以上、重量は35トン以上あります。現在でも様々な現場で活躍中です。
ビッグマンBM150A


ラオス 立坑掘削
BM-150Aはレイズボーリングの本格的自動運転を初めて実現したモデルです。より大型の機種が岩盤掘さくに活躍する現在は、BM-150Aは地滑り対策用の基礎杭埋設用大口径掘さく、大規模水井戸掘削など様々な用途に利用されています。
ビッグマンBM100N


新潟県 ロックモール工法 ビットの設置
BM-100Nは、1960年代後半の登場以来、長らくBMシリーズの中核を務めてきました。より大型の機種が岩盤掘削を行うようになると、逆にコンパクトな特性を活かし、上下水道管や電線埋設管のための横穴を水平掘削する工法「ロックモール工法」用の機種となりました。
ツール編成図
スパイラルスタビライザ―

銀色のずらりと並んでいるのがスパイラルスタビライザー。直径349㎜で長さは1.5mです。

直径349㎜、長さ1.5mの場合、重量は一本あたり700㎏を超えます。
パイロットビットまたはリーミングビットの近くに取り付け、孔曲がり防止とビットの振れ止めの役目 を果たします。孔壁と接する部分には超硬合金が植え込んであります。また、内部にはスライムの逆流防止用のバルブ が組み込まれています。
ドリルロッド

掘削現場に積み上げられるロッド。

深度500mともなると40本程度のロッドが必要になります。
パイロットビットまたはリーミングビットの近くに取り付け、孔曲がり防止とビットの振れ止めの役目 を果たします。孔壁と接する部分には超硬合金が植え込んであります。また、内部にはスライムの逆流防止用のバルブ が組み込まれています。
スリーコーンビット

パイロット掘削に使われる3コーンビット。この現場の場合、φ349㎜のものが使われました。

3コーンビットによる、パイロット掘削開始時の風景。
このスリーコーンビットは、石油掘削にもよく使われていて、ボーリングの世界ではおなじみのビットです。KOKENスリーコーンビットはあらゆる地層を考慮し、歯の形状、チップの形状、あるいは配列などに数多くの工夫が施されています。ビットに使用される材料も最高級特殊鋼が用いられ、適切な熱処理が施されています。
拡孔ビット

拡孔ビット。この現場の場合、φ399㎜あります。

拡孔ビットを貫通したロッドに取り付けたところ。
パイロット掘削にて上部立坑と下部とがつながりますが、そのままの掘削径では大口径リーミング掘削 の場合、径が小さすぎるため、小さなリーミングビットで一度リーミング掘削を行います。これが拡孔掘削で、これに 使われる専用ビットを拡孔ビットと呼んでいます。これで広がった掘削孔に大口径リーミングビット用の大型スタ ビライザを設置します。
リーミングビット

ビットボディの坑内への搬入風景。写真はメインステムとよばれるビットボディの中心部分です。

ビットボディのその他のパーツを坑内へ搬入します。現場にある重機により牽引され掘削点まで運ばれます。
“ビッグマン”によるリーミングアップ用に使用されるもので、ビットボディ、メインステム、ローラーカッター、ヘッドローラーから構成され、ビット径は1,150~6,121mmが標準です。通常、掘削現場まではパーツごとに搬入され、坑内のリーミング掘削点で組み立てを行います。
施工事例
当社が施工した、大口径岩盤掘さく機ビッグマンでの工事のうち、主なものを掲載いたしました。
西暦 | 場所 | 施主 | 機種 | 掘削径 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1967年 | 北海道 | 日本鉄道建設公団 | BM-100 | 850mm | |
1968年 | 岐阜県 | 神岡鉱山 | BM-100 | 1450㎜ | |
1969年 | ザンビア | ルアンシャ鉱山 | BM-200 | 2430㎜ | |
1970年 | 茨城県 | 日立鉱山 | BM-100 | 1750㎜ | |
1970年 | オーストラリア | スコシャ鉱山 | BM-50N | 800mm | |
1972年 | 長野県 | 東京電力㈱ | BM-100N | 1450㎜ | |
1973年 | 福岡県 | 三井石炭鉱業㈱ | BM-100N | 1450㎜ | |
1974年 | 福井県 | 日本亜鉛工業 | BM-100N | 1150㎜ | |
1975年 | 沖縄県 | 沖縄開発庁 | BM-100N | 1450㎜ | |
1976年 | 青函トンネル | 日本鉄道建設公団 | BM-100N | 2050㎜ | |
1977年 | 愛知県 | 中部電力㈱ | BM-100N | 1450㎜ | |
1978年 | インドネシア | INALUM | BM-100N | 1450㎜ | |
1979年 | 宮城県 | 宮城県 | BM-100N | 1750㎜ | |
1980年 | 北海道 | 豊羽鉱山㈱ | BM-100N | 1750㎜ | |
1981年 | 栃木県 | 東京電力㈱ | BM-50N | 800㎜ | |
1982年 | 岡山県 | 中国電力㈱ | BM-100N | 1450㎜ | |
1983年 | 宮城県 | 施主 | BM-100N | 1150 | ロックモール |
1984年 | 北海道 | 豊羽鉱山㈱ | BM-100N | 1750㎜ | |
1985年 | 北海道 | 豊羽鉱山㈱ | BM-100N | 1750㎜ | |
1986年 | 京都府 | 大阪ガス㈱ | BM-100N | 1150㎜ | |
1987年 | 広島県 | 日本道路公団 | BM-100N | 1450㎜ | |
1988年 | ハワイ | ハワイ水道局 | BM-100N | 1450㎜ | |
1989年 | 愛媛県 | 日本地下石油備蓄 | BM-100N | 1750㎜ | |
1990年 | 鹿児島県 | 住友金属鉱山 | BM-100N | 1750㎜ | |
1991年 | 長野県 | 日本鉄道建設公団 | BM-100N | 1750㎜ | |
1992年 | 長野県 | 中部電力㈱ | BM-100N | 1750㎜ | |
1993年 | 新潟県 | 電源開発㈱ | BM-150A | 1470㎜ | 斜坑51° |
1994年 | 香港 | PWD | BM-100N | 1470㎜ | |
1995年 | 鹿児島県 | 住友金属鉱山 | BM-150A | 1750㎜ | |
1996年 | 兵庫県 | 関西電力㈱ | BM-500A | 3400㎜ | |
1997年 | 北海道 | 施主 | BM-100N | 1450㎜ | ロックモール |
1998年 | 岩手県 | 建設省 | BM-500A | 2440㎜ | |
1999年 | 群馬県 | 東京電力㈱ | BM-150A | 1470㎜ | |
2000年 | 大分県 | ㈱戸高鉱業社 | BM-500A | 4750㎜ | |
2001年 | 宮崎県 | 九州電力㈱ | BM-150A | 2440㎜ | |
2002年 | 大分県 | 施主 | BM-500A | 4750㎜ | |
2003年 | 大分県 | 太平洋セメント㈱ | BM-500A | 2440㎜ | 斜坑46° |
2004年 | 岐阜県 | 水資源機構 | BM-150A | 1470㎜ | |
2005年 | ラオス | ラオス政府 | BM-150A | 1850㎜ | |
2006年 | 愛媛県 | (独)石油天然ガス金属鉱物資源機構 | BM-500A | 2440㎜ | |
2007年 | ラオス | ラオス政府 | BM-150A | 1500㎜ | 斜坑52° |
2008年 | 大分県 | 大分太平洋工業㈱ | BM-600A | 6000㎜ | |
2008年 | 山口県 | 秋芳鉱業㈱ | BM-500A | 5080㎜ | |
2009年 | 北海道 | 太平洋セメント㈱ | BM-600A | 6000㎜ | |
2010年 | 福岡県 | 住友大阪セメント㈱ | BM-600A | 6000㎜ | |
2011年 | 新潟県 | 電気化学工業㈱ | BM-500A | 4750㎜ | 斜坑-70° |
2012年 | 台湾 | 台湾電力 | BM-100N | 1450㎜ | |
2013年 | 岩手県 | (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構 | BM-500A | 5080㎜ | |
2014年 | 三重県 | 太平洋セメント㈱ | BM-600A | 4750㎜ | |
2015年 | 埼玉県 | 菱光石灰㈱ | BM-500A | 5088㎜ | |
2016年 | 埼玉県 | 武甲鉱業㈱ | BM-600A | 6000㎜ |